2010-06-28 16:35:51 テーマ:選挙

選挙管理委員会が選挙運動の管理をするところと思っておられる方は、どの位おられるだろうか。


選挙管理委員会の仕事の中心は、何と言っても選挙が適正かつ円滑に行われるようにすることにある。

選挙人名簿の作製からはじまり、立候補予定者への説明会の開催、公営掲示板の手配、不在者投票や期日前投票、さらには選挙日の投票が不正に行われないようにするための選挙立会人の確保や投開票場所の管理、票の点検作業、選挙会の開催、選挙に関する不服申立ての審査、選挙結果の報告、などなど沢山の事務処理がある。


選挙管理委員会が選挙運動の取締りをするんだ、と思っておられた方は、選挙管理の言葉の意味を明らかに誤解されている。

事業仕分けなどして選挙事務の経費を大幅に削減したりすると、必要な人件費や物件費の支払いにも事欠くようになり、適法で円滑な選挙管理事務の執行が難しくなる。

勿論、選挙管理委員会の職員は、各候補者の陣営や一般の方から公職選挙法について問い合わせがあれば、これに答えなければならないが、選挙運動の取締りをする権限が与えられている訳ではないので、ごくごく一般的な答えをすることになる。


それじゃあ、余り役に立っていないから事業仕分けだ、などというのは、大変な論理の飛躍である。

議会制民主主義社会の根幹を支えているのが選挙であり、これを具体的に担っているのが選挙管理委員会の職員の方々である。

不正な選挙が行われないようにする、という大事な仕事を現場の皆さんは、真面目にかつ一生懸命にやってこられている。

公務員バッシングが行き過ぎると、時々こんな誤解が罷り通るようになる。

選挙運動自体の管理は、どこもやっていない。

選挙違反の取り締まりは警察の仕事で、選挙管理委員会の仕事は、基本的に選挙が適正に実施されるように段取りをすること、だと改めて申し上げておきたい。