2007-04-02 18:36:53 テーマ:選挙
選挙戦の真っ最中である。

熾烈な戦いを展開しているところ、選挙の帰趨が明らかで、陣営に弛みが見られるところ、など様々である。

しかし、今回の選挙の投票率は低そうだ。

選挙は人の営みの中で、もっとも端的に人の本音をさらけ出す。

私の拙い経験であるが、選対の幹部が、秘書を80人くらい動員しなければ選挙にならない、などとぶち上げたことがある。

どこにそんな要員がいるのか、どこからその経費を捻出するのか、などはお構いなし。

要は、選挙は自分でやれ、というメッセージである。


選対の最も重要なポジションにいる幹部が、選対会議の後、対立候補の事務所に顔を出している、という話を聞いたこともある。

仕方なく選対に入っているが、本当は対立候補の応援をしているということである。

こんな状況の中で多くの選挙戦は戦われている。

私はこれまで5回国政選挙を戦ってきたが、私に面と向かって、一番辛らつな話をしてくれた議員が懐かしい。


お前には何の義理も無い。兄弟でも友人でもない。お前には何の世話にもなっていないし、世話になるつもりもない。
その人は面と向かって私にそう話した。

まさか自民党の公認候補になる者にそんな乱暴なものの言い方をする人はいないだろと思われるだろうが、本当の話である。

本音で話してくれたのだと思う。


候補者は金が無い。金の無い候補者を応援するからには、一人当たり300万円くらい出さなければならない。そのくらいの覚悟はあるのか、と叫び、会議に参加していた皆がシュントした、という話も聞いた。

当時相手は上昇気流に乗っている現職。自民党のブランドは通用しそうにない。

市長や議員はそんな負け戦に名乗りを上げようとしない。

そんな負け戦に、なぜずぶの素人の候補者を担ぎ出すんだ。

俺は、そんな選挙はやりたくない。


真意は分からないが、今となってそうだったのではないかと思える節がある。

選挙とはどういうものかを端的に知ることができた。様々な裏話も率直に語ってくれた。

その後何度も選挙を経験してきたが、選挙で垣間見る様々な人間模様やその時々の選挙結果に一喜一憂せずに今日まで大道を歩んでこれているのは、このときの経験があるからである。


選挙はまさにこれからが本番。

候補者はそれぞれに苦しいはず。

しかし、選挙戦を全力で闘いきったときは、爽やかな達成感に満たされる。

選挙は怖い。しかし、選挙は沢山のことを教えてくれる。

選挙は人生そのもの。

苦しみを楽しみに変えることが成功への秘訣である。