2010-07-21 12:54:15 テーマ:選挙

選挙、という映画があった。


市会議員の補欠選挙に公募で選ばれた候補者の選挙運動の実態を、比較的正直に映像化している作品である。

これから選挙に出ようとしている人たちには、いい勉強材料になるだろう。


この補欠選挙に立候補した自民党の公募候補は、当選した。

しかし、次の選挙には立候補出来なかった。


補欠選挙は、1人を選ぶ選挙である。

自民党の、組織を挙げての選挙となる。

すなわち、自民党に所属している現職の市会議員等の応援を受けての選挙である。

本人の知名度がなくとも、応援する市会議員やその後援会の力を借りて当選することが出来た。


しかし、次の選挙では、補欠選挙で応援してくれた人も、いわば敵になる。

補欠選挙で当選したのは自分の力、などと自惚れていると、とんでもないことになる。


そういうことはあり得ないのが、選挙である。

私は、補欠選挙で当選した地方議会の議員が次の選挙では涙を呑まざるを得なかったケースを、何度か目の当たりにしてきた。

地方議会議員の補欠選挙で当選した人は、まずそれでお終いにするのが穏当なところである。


さて、国政選挙の場合はどうか。

国政の補欠選挙で当選した人は、大体は強運な人である。

補欠選挙は、当然組織を挙げての選挙となる。

時の執行部の命運がかかっているから、まずは潤沢な選挙資金が本部から拠出されるだろう。

全国の注目を浴びるだろうから、マスコミが取り上げる回数も自ずから増え、候補者の露出度がアップする。

それまではまったく無名の候補者が、あっという間に知名度を上げる。


ここが、国政選挙と地方選挙が違うところ。

補欠選挙で当選しても、当選は当選。

次の選挙の時には、まず間違いなく公認候補となる。

公募が一番有効なのは、補欠選挙の候補者だと私は思っている。


だから、どうせチャレンジするなら国政の補欠選挙に限る。

これが、私の皆さんへのアドバイスである。

さて、通常の衆議院議員選挙の小選挙区の公募候補者の場合は、どうか。

たった一人を選ぶ選挙だから、基本的には組織と組織との戦いになるはずである。

だから、公募で選ばれた党の公認候補に組織の票が自動的に全部流れるように思えるだろうが、そんなことはない。

そもそも、組織の票など無いも同然だ。


子どもは、親の言うことを聞かない。

従業員は、社長や上司の言うことは聞かない。

夫と妻は、それぞれ別の行動を取る。

自分のことを皆、聞くはずだ、と思っている人がおられるが、さて、本当に何人の人が自分の言うことを聞いてくれるか。

10人も自分の言うことを聞いてくれる人を持っている人は、大変な人望家か実力者、あるいは気前のいいお大尽である。


そんな人は、すっかり見かけなくなった。

通常の国政選挙では、党本部の職員や秘書が一部の選挙区だけに張り付く、などということはあり得ない。

党本部の潤沢な選挙資金を使って、存分の選挙運動を展開する、などということもおよそあり得ない。

公募候補は、いわば落下傘候補である。


落下傘の下は、敵ばかり、ということも無いわけではない。

衆議院議員選挙の公募候補者は、大変な苦労をする。

それだけは覚悟しておいた方がいい。

全部自分で稼いでいくつもりでいれば、まず間違いない。

足で稼ぎ、口で稼ぎ、頭で稼ぎ、とにかく自分を売っていかなければならない。

若い人や女性は比較的有利だが、それでも苦労はする。

その苦労を自分の喜びに転換できるかどうかが、成功不成功を決める鍵になる。


私は、名乗りを上げてから8年かかった。

二度の衆議院選挙、一度の参議院選挙を経て、四度目の国政挑戦でようやく国会へのパスポートを頂戴した。

苦労を喜びに変えることが出来るのであれば、皆さん、どんどん次の衆議院議員選挙の公募に応じていただきたい。