2010-07-13 19:58:16 テーマ:選挙

皆さん、勘違いをしないで頂きたいが、まだ参議院選挙は終わっていない。


勿論、選挙の投票は終了し、参議院の選挙会も開催されて当選者の発表も済む頃かも知れないが、これで選挙が終わった、と気を抜いたのでは、大きな間違いをすることがある。


山梨選挙区などがきな臭い。

激戦を現職が制した、と言うが、どうも組織的な選挙違反が陰で行われたのではないか、という噂が飛び交っている。


警察が事実関係を把握しているかどうかは知らないが、ネットで違反文書なるものが紹介されている。

選挙違反の捜査の端緒は、かつては匿名の投書だったり、陣営内の造反分子の密告だった。

どんな情報でも拾い上げて、警察は内偵をするものだ。

それこそ選挙違反の臭いがすれば、ゴミ箱をあさって裁断された書類を集める、などという地道な捜査もするものだ。


おそらく激戦の選挙区では、鵜の目鷹の目で選挙違反の捜査を今でも続けているはずだ。


選挙違反の摘発には、概ね三段階がある。

まずは、投票日。

投票日の当日、投票箱がしまった直後に強制捜査に入るケースは、事前運動の段階から警察が目を付け、地道に捜査を続けてきてほぼ証拠関係の収集が終了したケースである。


この段階で逮捕される、ということは、まず有罪は免れないケース。

どこまで捜査が拡がるか、何人が選挙違反で逮捕されるか、どこで捜査を打ち止めにすることが出来るか、ということが専らの対応となる。


次に大きな節目となるのが、投票日の5日後の金曜日の夕刻。

開票が終わって当選者が決まってから、選挙運動に従事した関係者の任意の事情聴取を重ね、ある程度の供述を得た段階で、令状を取って強制捜査に移る。

逮捕状が執行されるのは、大体金曜日の夕方か土曜日である。

強制捜査に繋がるような地道な警察の捜査が進んでいるとは誰も考えていないから、ほぼ無防備な状態になっている。

そこへ、いきなり警察の捜査が入る。


当初は、あくまで任意同行。

不意をつかれた状態で、警察の質問に答えることになる。

警察がどの段階で強制捜査に切り替えるのかはよく知らないが、警察はそれまでの捜査で既に一定の心証は獲得しているはずで、相手から何らかの供述が得られれば、任意聴取の途中で一応の供述調書を作成し、これを根拠に裁判所に令状請求を行なうのが通常ではないかと思う。


都合の悪いことには、こんな時に弁護士に相談しようとしても、事務所は閉まっており、連絡がつかない。翌日も翌々日も弁護士と連絡がつかず、途方に暮れることになる。

まるで弁護士と連絡できないように狙って逮捕したんじゃないかと邪推してもおかしくないようなタイミングでの強制捜査である。

投票日の週の金曜日の朝から一斉に関係者の任意の事情聴取が行われ、その日の夜に逮捕状が執行されるということが多い。


選挙について何もご存知の無い方は、投票が終わればそれで終りだと思いがちだが、実は終わっていない。

こういうことは、経験のない人には絶対に分からないことであろう。

素人の無邪気さが通用しないのが、選挙である。

少なくとも投票日から2週間から1ヶ月間は、選挙は終わっていない、と思っておいた方がいい。



関係者が多い選挙違反事件の摘発は、大体投票日の翌々週ぐらいに顕在化する。

それまでは地道な捜査が続いている、と考えておいた方がいい。

投書が沢山寄せられていれば、それだけ一件一件丁寧に捜査している、と思っていれば間違いは無い。


やはり警察が重点を置くのは、買収事犯である。

それも候補者にまで届くような事件。

国会議員や元国会議員まで立件できれば上首尾、ということになる。


大物は滅多に網にかからないが、国会議員や元国会議員でも訳ありの人の場合はたまに網にかかる。

大概は、運動員買収である。

運動員の確保のために自分で金を用意し、自分で支払うような人、すなわち、党の公認を外され、手弁当での戦いを余儀なくされた可哀相な人がよく引っかかる。


勿論、素人の人も網にかかる。

これは、どちらかと言うと法に無知だから。

選挙のプロのアシストが無いから、ほぼ無防備の状態。

真面目に選挙をやった素人ほど引っかかる。


お気の毒だが、これが実際である。

不真面目で、単に自己満足、あるいは、おざなりの選挙運動しかしていない、いや、まったく運動していない人は引っかからない。

これも、事実である。

投票日から2週間経っても誰も警察から事情聴取されていないようだ、ということになったら、まずは安心して良い。


それでも警察の人には、それとなく様子を聞いておくものだ。

自分の陣営で捜査の対象になっている人は、いないでしょうね。

まさか、いるよ、とは言わないだろうが、雰囲気で分かるものだ。


さて、選挙はいつになったら終わるになる、と考えたらいいのか。

やはり、選挙違反取締本部の解散まで、と考えておいたらいい。

選挙違反取締本部が解散したら、捜査員が一斉にいなくなる。

それまで徐々に取締本部を縮小してきているはずだが、捜査員がいる限り捜査が続いている。

捜査員が一人もいなくなれば、もう選挙違反の事実が明るみに出ても誰もその捜査をやらないはず、と私は見ている。


今回の選挙では明らかに選挙に素人の方も多数、名乗りを上げられたようだ。

そのお一人から、今日、私のブログへの読者登録がなされた。

折角の機会なので、本当のことを少しだけお伝えしておく。


まだ、選挙は終わっていない。