2013-05-16 06:14:14 テーマ:選挙
殆どの弁護士は公職選挙法の勉強をしたことがなく、仮に勉強してもその勉強の成果を活かす場所がないためにいつしかその知識も錆びついてしまっており、実際には役に立たないことが多い。

弁護士に聞いても分からないことばかりである。

選挙に関わることがある人が求めているのは、一つはどうやったら効果的な選挙運動が出来るか、ということだ。
選挙プランナーの人たちは、ビジネスの感覚でこの問題を捉えるから色々知恵を出す。
役に立つものも役に立たないものも当然ある。
選挙はその時限りの一回こっきりのことで、予め実験が出来ない世界だから、やってみる外ない。
結局は、経験が多い人ほど優位に立つ世界である。

しかも、その経験を共有することが出来ない。
成功の経験も失敗の経験も公開されないから、誰も本当のことは知らないまま終わってしまう。
ああ、あんな危ないことをやっている、などということが分かっても事件にならなければ、あれでもよかったのか、ということになってしまうから、実に危うい。

限られた世界での仕事だから、ずいぶん変なことも罷り通ってしまう。
ぼったくりバーのようなことも出てくる。
効能書きだけで選択される世界だから、一種の詐欺みたいなことも出てきてしまう。

誰も本当のことを教えてくれない特殊な世界である。

唯一本当のことを教えてくれるところがあるが、これはまず役に立たない。

「選挙違反になる虞があります。」
これはどんな場合も正しい。
虞ならどこにでもある。
虞があるということでそういう場所には一切近づかない、というのであれば、これでいい。

交通事故の危険があるから車には乗らない。
勿論、飛行機には乗らない。
肺がんになる危険性があるから煙草は呑まない。
頭が悪くなる可能性があるからお酒は飲まない。

しかし、何かをしなければならない人にとってこの答えは大体は何も言っていないのと同じである。
手続を教えてもらうのは大事だが、選挙運動のやり方を聞いても駄目だ。

こういう答えをするのが選挙管理委員会である。

それでは、手っ取り早く警察に聞いたらいいか。
実は、ここでも本当の答えは得られない。
警察でもその場にならないと分からない世界である。

どれどれ、どんなことですか、と興味を示すだろう。
これは違反だということになったら、相談に行った人にとっては藪蛇になる。
まあ、本当のことを洗いざらい警察の人に話して相談するような人がいるとは思わないが、警察に選挙違反を聞くのはいいやり方ではない。

結局、皆手探りでやっているということだ。
真っ暗闇の中を、誰かがかざしている蝋燭の灯りを頼りにおそるおそる歩いているようなものだ。

弁護士選挙研究会は、こういう時のために本当のこと、本当のことに出来るだけ近いことを教えてくれそうな専門家集団を作って、選挙をもっと近代化、合理化させようという試みである。
上手く行くかどうかは、どんな弁護士が集まるかに係っている。
これからである。