2013-06-03 09:32:35 テーマ:選挙
長年選挙に関わってきた人たちの選挙の裏話を満載した本を何冊か読んだ若い弁護士の率直な感想である。

これまでの選挙の現場ではどんなことが行われてきたか、ということを語っている本が相当あるようだ。
選挙違反事例満載。
買収饗応はもとより、中傷ビラの投げ込み、法定外文書の作成、運動員に対する費用の支払い、ウグイス嬢に対する法定限度額を超えての報酬の支払い、様々な形態の選挙妨害など実に多様な選挙違反の実例が紹介されているようだ。

こういうダーティーな仕事に弁護士は関わるべきでない。
若い弁護士がそう思うのは当然である。

しかし、選挙の現場は驚くほど変わってきているので、今はそれほど毛嫌いするほどのことはない。
どこの陣営でもコンプライアンスを重視するようになっているから、若い弁護士が顔を顰めるような場面に遭遇することはない。
どこの陣営でも刑事事件になることを一番恐れている。
どこの陣営でもコンプライアンス態勢を構築してくれる弁護士を求めているし、大事にする。

弁護士を頼まないのは、本当のことを知らないためである。
本当のことを知ったら、必ず弁護士を頼るようになる。

もっとも、現時点ではまだ本当に頼りになる弁護士がはいない。
弁護士であれば誰でもいいのだが、弁護士が何も知らないのではさすがに頼りにはならない。
問題なのは、どこまでが適法でどこからが違法なのかを見極める線引きが誰にもよく分からないことだろう。
まるで民主党のシンボルマークである。

その時々に取扱いが違っているように見える。
現実に、それぞれの選挙の種類や地域の実情に応じて警察の取扱いが異なる。
まるでさじ加減があるかのように映る。
一人の警察官に聞いても答えが出ない。
選挙管理委員会でも答えが出せない。
裁判例や警察の警告事例集を読めば、典型的事例について大凡の判断は出来るが、具体的事例についてどう判断すべきかということになると、やはり本当のところは分からない。

ここで、弁護士としての総合的判断能力が求められてくるのだが、これが難しい。

弁護士が本当に役に立つ存在になるためには、それなりの研鑽を積む必要がある。
これが現在の選挙の現場の実情だから、コンプライアンスを標榜して選挙法務に携わる若い弁護士が登場すれば、必ず弁護士としての仕事の領域を開拓できるはずだ。

弁護士選挙研究会がそういう弁護士を世の中に送り出すインキュベーターになる可能性がある。
これまで誰もやってこなかったことである。

誰もやっていないから、手探りでやるしかない。
弁護士の仕事として採算性があるかどうかはまだ何とも言えないが、こういうことを始めた人はいずれは高く評価される時が来るはずだ。
如何だろうか。