2013-05-29 11:07:17 テーマ:選挙
弁護士の中の弁護士、と言うほど大層なものではない。
単に若い弁護士が困った時に相談に乗れる弁護士、という程度の意味である。

しかし、私は自分を自己紹介する時に、弁護士の弁護士であると言う。

何が専門かと聞かれれば、普通の弁護士弁が処理に困った難しい事件を処理することだ、と答えてきた。
労働紛争や民事介入暴力事件、厄介な家事紛争、会社の内紛、弁護士と依頼者の間の紛争、難しい刑事事件などなど、面倒で複雑怪奇、普通の弁護士が尻込みするような事件にも果敢に取り組んできた。

困った弁護士は、よく私のところに駆けつけてきた。

労働紛争事件の処理がこじれて普通の弁護士では対処できないような事態になった時に、若くて腕力があって、しかも一日26時間働いても疲れを知らないような、そういう戦う弁護士が求められている時に私がその役割を担ったのである。

大きな法律事務所の普通の担当弁護士は沢山の事件の処理をしなければならず、どうしても事件処理が後追い、細切れにならざるを得ない。

弁護士として一番有能な所長弁護士はそれこそ数えきれないぐらいの依頼者を抱えているから一つの事件、一人の依頼者のために自分のすべての時間を使い、自分の最高の能力を発揮して個別の事件処理に取り掛かることが出来ない。
チームに頼らざるを得ないのである。
しかし、自分のチームに適任者を見い出し難いことがある。
そういう時に、アドホックで自分と同様に動いてくれる若い弁護士がいればこんなありがたいことはない。

自分も助かるし、依頼者も助かる。
自分の事務所の若い弁護士も助かる。

そういう時に私のような存在が役に立った。

逃げ惑う経営者に代わって争議団との団体交渉に臨み、もみくちゃにされたり足を蹴飛ばされたりしながら、しかし理不尽な要求には最後まで屈しない、などという経験もしてきた。
熱い夏で腕まくりして仕事をしていたら、私の事務所が入っているビルの周辺にデモ隊がやってきて大きなマイクでシュプレヒコールを上げていた。
余りにもうるさいので、デモ隊の指導者のところに行って、迷惑だ、と抗議したら、その時の写真を撮って、暴力弁護士!などとビラに書かれたこともある。

こういうことを引き受ける弁護士はそうそういないから、私は、いざとなった時に普通の弁護士が頼る弁護士になったのである。

私は、これまで弁護士の弁護士という役割を多く引き受けてきた。
そうすることで私自身が特に得をすることはないが、損をしたことは一度もない。
しかし、私は頼りにした弁護士は大変なメリットを享受したはずだ。

弁護士としてやっていけるだろうか、という不安を抱えている人たちにとって弁護士の弁護士を標榜する私のような存在は役に立つはずだ。

ちょっとした不注意から事件処理を誤まり、依頼者と深刻なトラブルになり、弁護士生命の危機を迎え、病気になった弁護士もいた。
ボス弁と喧嘩別れをして私のところに来た弁護士もいた。
まだ自分一人でやっていくだけの自信も能力もない時に、なんとかならないかと私を頼りにしてきた弁護士もいる。

一時的に上手く行かないことがあっても、多少の支援、多少の協力さえあれば皆、なんとかやっていけるようになるものだ。
それが証拠に、私と出会った人たちは、皆、見事にそれぞれの危機を乗り越え大活躍するようになっている。


それでいい。

その一声を聞きたいために、今でも私のところを訪れる人が毎年何人かはいる。
弁護士選挙研究会は、そのための会である。
チームを作りたいと思うのは、イザという時に役に立つ若い仲間を大勢作りたいからである。

選挙の玄人を皆、弁護士にしたらいいのではないか、というのとはちょっと違う。
やはり普通の弁護士としての実力は養っておいてもらいたい。